論文『ヘリセン構造を含むカーボンナノベルトのひずみエネルギー計算』がChem.Commun.に掲載されました

A theoretical study on the strain energy of helicene-containing carbon nanobelts

Kosuke Watanabe, Yasutomo Segawa,* and Kenichiro Itami*

Chem. Commun. 2020, 10.1039/D0CC06373H

今回我々は、ヘリセン構造を含むカーボンナノベルト(CNB)のひずみエネルギーを算出する手法を開発した。以前報告した手法(Org. Lett. 2016, 18, 1430)では、2019年に合成された(18,12)CNBをはじめとした[4]または[5]ヘリセンを含むCNBのひずみエネルギーを正しく算出できないことを明らかにした。そこで従来の小分子を用いたhomodesmotic反応と併用する新たな手法を開発し、ヘリセン構造を側鎖もしくは主鎖に含むCNBのひずみエネルギーを算出した。CNBはカーボンナノチューブを切り出した構造であり[6]ヘリセン以上の高次ヘリセンは生じないことから、前法および本法によって考えうる全てのCNBのひずみエネルギー導出が可能になった。

In this study, the theoretical analysis of the strain energy of helicene-containing carbon nanobelt is reported. It was found that the combined method of linear regression analysis and suitable homodesmotic reactions can successfully estimate the strain energies of various helicene-containing carbon nanobelts including previously synthesized chiral (18,12) carbon nanobelts.

 

論文acceptを祝してスパークリングワイン(ノンアルコール)でお祝いしました。魚住Gからもお祝いに駆けつけてくれました。

  

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