Preprint『置換基のかさ高さ制御による全縮環3Dテトラピラジノポルフィラジンポリマーの合成』がChemRxivで公開されました
Synthesis of fully fused tetrapyrazinoporphyrazine polymers bearing three-dimensional structures controlled by steric repulsion
Kosuke Watanabe, Teruki Toya, Yuto Toyota, Yoichi Kobayashi, Junichi Usuba, Yuh Hijikata, Ryotaro Matsuda, Katsuyuki Nishimura, Haruki Sugiyama, Yasutomo Segawa*
ChemRxiv DOI: 10.26434/chemrxiv-2024-0n6gx
縮環π共役構造でつながった3次元ネットワークポリマーは構造・電子的に興味深い材料物質だが、本来平面であるπ共役ユニットを立体的に組み上げる効果的な手法はこれまで報告されていない。今回我々は、フタロシアニンの類縁体であるテトラピラジノポルフィラジン(TPyzPz)が3次元的に縮環構造で組み上がったネットワークポリマーの合成に成功した。TPyzPzを鞍状にひずませる大きさの置換基を量子化学計算より特定し、これを置換基にもつモノマーの重合によってネットワークポリマーを得た。得られたポリマーはTPyzPz分子よりも長波長である近赤外領域に吸収をもつことから、π共役が伸長した電子構造をもつことが分かった。二酸化炭素ガスの吸着能があることから、ナノ空孔を有するネットワークポリマーであることが示唆された。この成果は縮環π共役ポリマーの化学を3次元周期構造へと拡張させるものであり、「パズルのように空間を敷き詰める」有機合成化学を体現するものである。
The synthesis and characterization of fused aromatic networks composed of zinc tetrapyrazinoporphyrazines are reported. The steric repulsion of bulky substituents induced the formation of three-dimensional structures. Thus-obtained insoluble polymers adsorbed CO2 and had near-infrared absorption indicating their porosity and extended π-conjugation.