論文『カーボンナノベルトを用いたシクロイプチセンの合成』がChem. Sci.に掲載されました

Hiroki Shudo, Motonobu Kuwayama, Yasutomo Segawa,* and Kenichiro Itami*

Chem. Sci. 2020, DOI: 10.1039/D0SC02501A

トリプチセン構造を多数もつ分子「イプチセン」は、剛直で3次元的なπ共役骨格として古くから合成されています。しかし、小さな部品から組み上げていく方法では大きくて複雑なイプチセンを作るのは困難で、特にトリプチセンが環状につながった分子「シクロイプチセン」は非常に対称性が高く美しい構造にも関わらずこれまで合成に成功した例はありませんでした。今回我々は、(6,6)カーボンナノベルトを原料に用いることで1段階でシクロイプチセンを合成することに成功しました。(6,6)カーボンナノベルトがジエンとしてベンザインと反応し、6回の[4+2]付加環化反応が起きることでシクロイプチセンが得られました。この反応はベンザインだけでなくジフェニルアセチレンを用いても進行することから、様々な分子ナノカーボン構造を構築する構成材として(6,6)カーボンナノベルトが有用であることが明らかになりました。トリプチセン骨格をもつベンザインを(6,6)カーボンナノベルトと反応させることで、これまで合成されたイプチセンの中で最大のイプチセンを合成することに成功しました。

The synthesis of cycloiptycene derivatives was achieved each in one step from (6,6)carbon nanobelt. It was revealed that the carbon nanobelt reacted as a diene in Diels-Alder reactions with arynes and alkynes. Structures of all products were identified by X-ray crystallography to confirm that the Diels-Alder reactions took place at the six central benzene rings of the carbon nanobelt. DFT calculations indicated that the release of strain energy is the driving force to proceed the Diels–Alder reaction. By using this method, we have successfully synthesized cyclotetracosiptycene, the largest iptycene ever synthesized.

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